2004年度 沢始め

丹沢・水無川本谷遡行

4月18日(日)快晴
CL:M川(記録)  T葉、T山、T瀬、Y路、H川

 四月に入って天気が良い日が続くと、沢に行きたくなる。グラウスの総会時にそんなことを話していたら、S本さん、T葉さん、T山さんが一緒に行きたいと言ってきた。それではということで、メールで沢始めの案内を会員に送ったところ、T瀬さん、Y路さん、H川さんから申し込みがあり、S本さんは急遽行けなくなったものの、6人のメンバーでにぎやかに水無川本谷に入ることになった。当日は快晴、初夏のような絶好の沢日よりである。渋沢駅で待ち合わせ、7時30分、H川さんのワンボックスにて戸台へ向かう。前に水無川本谷に行ったのは4年前の同じく丹沢山開きの日曜日だった。その日は雨模様の肌寒い天気だったような気がするが、今日は天が味方をしてくれた。<BR>
 八時三十分、戸台着。われわれの他にも沢屋さんらしきグループが入渓準備を行っている。装備を整え、本谷に入渓。H川さんをトップに、T山さん、Y路さん、T葉さん、T瀬さん、そして私がラストというオーダー。
 堰堤と小滝を越えて三十分ほど進むとF1(10m)である。ここは左壁にクサリがついているが、細川さんはクサリには目もくれず、流れの左壁を楽に直登。沢始めでもあり、急ぐ理由もないので、ザイルを出して各自直登してもらい、体をほぐすこととする。

F1をリードするH川

F1に直登にトライするT瀬

F1ラストは余裕のT山

 滝上で右からセドの沢が入り、すぐにF2(5m)。左壁にクサリがあるようだが、ここは乾いた左壁のハーケンにシュリンゲをかけて突破。小滝を水流通しに登り、F3(8m)へ。
ガイドでは、「F3は水流沿いを登ろう」となっているが、水に濡れたくないので、ハーケンの打ってある右壁に取り付く。右壁の斜度はあまりないものの、中間のホールドがやや難しく、落ちるとアウトなので、ここはザイルを出して慎重に一人ずつ登る。直登というよりは、やや斜上する感じなので、中間支点のランニングビレイはそのままにして、通過してもらう。途中で、後続の五人組と二人組の二パーティーが追いついてきた。五人組の方はしばらく見ていた後、時間がかかると見たのか、流れに沿って濡れながらカッパを着たトップが直登してくる。二人目までは、2組がほぼ同時に登ることになった。別の二人組はさっさとクサリのある左壁から巻くように登っていった。
 次のF4は流れの右を各自楽勝で登る。続くF5(2段13m)は、ガイドでは「高度感があるので慎重にいきたい」と書かれているが、右壁のクサリを使わなくても、ホールドが豊富で、F3よりも簡単に思えた。これを越えて十一時、書策新道が沢を横切っていて、一般の登山者が休憩している。緩やかなゴーロを進むと左から沖ノ源次郎沢が入ってくるが、水量は少ないので気がつかないで通り過ぎる。右に折れると二俣となる。本流は左に曲がっているが正面は木ノ又大日沢である。左に折れてすぐに、チョックストンを持つF6(7m)。盛夏であれば、流れにそってシャワークライミングで正面突破も考えられるが、ここは、右のチョックストンにとりつく。乗り越す位置に残置シュリンゲがあり、ありがたく使わせてもらってA0で突破。シュリンゲを使わずにフリーで登るのはちょっと気持ちが悪いところかもしれない
 続く小滝やF7はさほど困難な箇所はなく、流れにそって登ると、F8(20m)となる。滝下の正面に立って回りを見回すと、四年前に遡行した際よりも、左壁、右壁ともさらに崩壊が進んでいる気がする。右のザレたルンゼ状の斜面を巻くが、落石を起こさないように斜面を押さえながら慎重に登る。落石を全く起こさないのは至難の業なので、下で待つメンバーに落石を受けないよう立つ位置に注意するよう促す。ザレたルンゼをひと登りして、枝尾根に取り付き、大滝の落ち口くらいの高さまで登ったらトラバースを開始する。しかし、以前にもましてトラバース道は大きくえぐれているので、簡単ではない。ザイルを固定して登り、落ち口上部の河原に降りる。
 しばらく登り、右に折れて行くと奥にF9(10m)が見える。直登もできそうだが、やや逆層気味でフリクションがどの程度きくのかわからないので、ザイルなしではちょっと気持ちが悪い。右から巻いて上部へ出ると、十三時、古い石積み堰堤があり、右から越えると源頭部の雰囲気となる。人気の沢だけあってツメは踏み跡がたくさんあり、好みによってどちらにもルートがとれるが、今日は塔ノ岳になるべく近い地点にツメることとした。
 枝尾根の踏み跡をたどり十三時三十分、表尾根の稜線に飛び出す。沢装備をつけたまま、左に十分ほど登り、塔ノ岳山頂へ。丹沢山開きの快晴の日曜日とあって、山頂は登山者であふれていた。しばし、大休憩の後、書策新道から下山することとし、表尾根を下降する。十五分ほど下降したところで、水無本谷方面の尾根に目をやると、遡行者の3人パーティが見えた。さわらび山の会のパーティーも沢始めで水無本谷に入ると聞いていたが、服装などから判断するとどうもそうらしい。稜線上の登山道脇で、登ってくるのを待って挨拶する。しばらく話をして、一緒に下山することとした。
書策新道を下降しセドの沢左俣と出合ったところで、登山道をこのまま下山するか、セドの沢左俣を下降するか相談し、沢を下降することに決定。さわらびのメンバーも一緒に下降することになった。懸垂下降をやったことがないメンバーもいたので、手順や方法を十分説明した後、最初の懸垂下降では、安全を考慮して、さわらびのロープをバックアップにして、降りてもらった。最初の滝からいきなり空中懸垂となってしまうので、やや心配したが、無難に下降できて一安心。五〜六回の懸垂下降と沢のクライムダウンは良い経験になったと思うが、さわらびの三名を含む九名のメンバーによる沢の下降は、やはり思った以上に時間がかかり、戸沢に戻ったのは六時を過ぎていた。
 今回の沢登りは、一日で水無川本谷の遡行とセドの沢左俣の下降という、欲張った内容となったが、大きなトラブルもなく遡下降できたのは、幸運だった。沢はやはり登ることよりも下降することの方が何倍も難しく、時間も掛かることを再認識した山行となった。

セドの沢左俣を下降